倭歌は歴史を詠う 「豊国の万葉集」
於:小倉城庭園研修室 記紀万葉研究家 福永晋三
尚、2022年9月28日の「豊国の万葉集① 真実の仁徳天皇」も引用しました。
「万葉集」巻第一 雑歌 28番 (宇治天皇の皇后、髪長媛の歌だった)
宇治天皇が、最初の国見に登った山は、高山(=香山)であり、その山は香春三ノ岳である。その内容が、『古事記』仁徳記に残されている。
『古事記』では、3年間税を取られなかったとあるが、『日本書紀』では、太子菟道稚郎子と大鷦鷯尊が、位を讓って、3年間空位を書かれている。
仁徳紀に書かれている空位の3年間は、本当は宇治天皇が即位されていた。その宇治天皇3年夏4月に2度目の国見で香山に登られた時の歌が、『万葉集』2番歌だった。
日本書紀に宇治天皇が、2度目の国見をされたのが、夏四月と書かれている。旧暦の春は、1月・2月・3月。夏は、4月・5月・6月であり、『万葉集』28番歌は、「春過ぎて 夏来たるらし」と詠われており、日本書紀の季節とピッタリ合っている。
皇后である髪長媛が、宇治天皇の2度目の国見に香山に登られるのを見送られた。その時に詠われたのが、28番歌である。この歌は、持統天皇が詠われた歌ではなかった。
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28
畝尾山
耳成山
天香山