「邪馬臺(やまと)國=鷹羽國」説
    (福永晋三先生の倭歌が解き明かす古代史)


※ 倭国大乱は呉越の戦い⁉
 (令和元年10月6日(日)、久留米大学公開講座(郷土の民俗古代史 2019)より

 倭国大乱は呉越の戦い⁉

■ 呉越の人々は、火国山門と遠賀湾沿岸にやって来た

● 魏志倭人伝には、魏略にある「聞其舊語,自謂太伯之後」が書かれていない

・・・ 呉の太伯は「姫氏」であり、周王朝の一族である。紀貫之の紀氏である。呉王夫差の祖である。
   狗奴国は菊池川流域の菊鹿盆地であるという説である。
    魏志倭人伝は、春秋時代の呉の国のこともイデオロギー上、書かれていない。

    夏后少康之子は、呉王夫差を倒した越王勾践の祖である。倭人(倭国)は遠賀川流域に居たのでは
   ないだろうか。

『魏略』中の狗奴国倭国
文身點面猶稱太伯之苗
 魏 略 曰 , 女 王 之 南 , 又 有 狗 奴 國
女 男 子 為 王 , 其 官 曰 拘 右 智 卑 狗
不 屬 女 王 也 .( 自 帶 方 至 女 國 万 二
千 餘 里 .其 俗 男 子 皆 點 而 面 文 .)

其 舊 語 , 自 謂 太 伯 之 後
② 昔 夏 后 少 康 之 子 封 於 會 稽斷 髮
文 身
以 避 蛟 龍 之 吾 . 今 倭 人 亦 文 身
以 厭 水 害.
① 呉の太伯は「姫氏」。呉王夫差の祖
 狗奴国は菊池川流域の菊鹿盆地
 魏志倭人伝は「呉」を外す
② 夏后少康之子越王勾践の祖
 倭人(倭国)遠賀川流域

 

● 紀元前473年の滅ぼされたと後の紀元前334年に滅ぼされたの人々は、何処へ行ったか?

呉越の戦い
紀元前473年
 越王句踐(こうせん)、呉王夫差を滅ぼす
紀元前334年  
 楚、越を滅ぼす
地図「春秋時代」

 

呉王夫差の公子忌が、前473年に来朝し、火国山門に住んだ

・・・ 呉の行き先ですが、我が国に『群書類従』という江戸時代の百科事典の中に「松野連系図」と呼ばれる
   本がある。
    その一番最初に、越王勾践に敗れた呉王夫差は自決したが、公子忌(字名は、慶父)は孝昭天皇三年に
   来朝し、火国山門に住むと書かれている。

    呉王夫差が滅ぼされた前473年は、『日本書紀』がずーっと遡った年から始まっているので、実は
   この孝昭天皇三年に当る。

越の行き先
前四七三 越王勾践、呉王夫差を討つ
夫差の公子忌
 孝昭天皇三(前四七三)年来朝し、
 火国山門に住む。
「松野連<倭王>系図」

 

● 弥生時代の火国、菊池川流域は水田地帯

・・・ 熊本県の菊鹿盆地にいらっしゃる郷土史家の方が、30年以上の菊池川流域の遺跡の調査をされていた。
   その菊池川流域に昔、図のように大きな湖「茂賀の浦」があったとおっしゃっている。水が引いていく度に、
   遺跡が広がっていった。そこには水田地帯があった。図にあるように弥生遺跡がいっぱいある。

越の行き先

(図―⑤縄文湖の水が引いた後の弥生遺跡)

縄文・弥生湖「茂賀の浦」

 

ジャポニカ種の稲とアイラトビカズラが、夫差の子が火国山門にきたことを裏付ける

・・・ 菊池川流域の盆地が出土したジャポニカ種の稲は、明らかに長江流域の稲の遺伝子を持っている
   という事が証明されている。

    もう一つは、山鹿に「アイラトビカズラ」という大きな蔦がある。この山鹿の他にもう1ヶ所、
   長崎県と日本に2ヶ所しかない植物である。
    この「アイラトビカズラ」のDNAが、長江下流域の葛と同じであることが、植物学の方で証明
   されている。

    前述の「松野連系図」と合わせても呉王夫差の子と家来たちが一緒に、ジャポニカ種の稲とアイラ
   トビカズラのつるでつないだと思われる筏に乗って、火国山門迫間川流域までやって来ている。

    迫間川流域のこの地区を  「神来」と書いて「おとど」 という。熊本県の有名な地名で、難訓である。

    紀元前473年に文献の上からでもこの土地(菊鹿盆地)にきている。

越の行き先
「アイラトビカズラ」

 茂賀の浦の北端に相良観音があり、アイラ
観音という。この地は、日本でただ一つ自生
している「アイラトビカズラ」がある。
 原産地は、中国南部の長江流域である。
  

「和名類聚抄」(肥後国菊池郡)
「神来(おとど)地区の字図」

 七城地域の「弥生水田( (うてな) 台地の
城ノ上遺跡)
から籾痕(ジャポニカ種)の
ついた弥生土器が出土している。(七城町史)
 この弥生前期に水田稲作の技術とともに
日本に伝播した籾は、長江下流域を原産地
するジャポニカ種だとされている。
  

 

● 楚に滅ぼされたの人々は、豊国(=倭国)古遠賀湾の沿岸を中心に来ている

の行き先
Google Earth「福岡県Flood Maps」

倭国地図