「邪馬臺(やまと)國=鷹羽國」説
    (福永晋三先生の倭歌が解き明かす古代史)


※ 第12回古代史講座 古代田川を解き明かす
  豊の国の織姫 ―邪馬台国の絹―
 (令和元年八月三日(土)、主催 田川広域観光協会古代史研究会 、於 香春町町民センター町民ホール)より

 豊の国の織姫 ―邪馬台国の絹―

■ 古詩十九首其十(彦星と織姫の歌)/中納言家持の歌

● 古詩十九首其十

 今日は、旧暦の七夕に近いので、七夕に因んで織姫の話を致します。
 これは、中国の漢の時代の彦星と織姫の歌である。2000年くらい前の歌、七夕伝説である。

古詩十九首其十
迢迢牽牛星  迢迢たる牽牛星
皎皎河漢女  皎皎たる河漢の女
纖纖擢素手  纖纖として素手を擢んで
颯颯弄機杼  颯颯として機杼を弄す
終日不成章  終日 章を成さず
泣涕零如雨  泣涕 零ちて雨の如し
河漢清且淺  河漢 清く且つ淺し
相去複幾許  相去ること複た幾許ぞ
盈盈一水間  盈盈たる一水の間
脈脈不得語  脈脈として語るを得ず
 天の川を隔てて遥かな彦星よ、また白く
明るい織姫星よ、か細く白い手をぬきんで
て、サツサツとして機を織る、一日中織っ
ても布が出来上がらない、織姫の目からは
涙が雨のように流れ落ちる、天の川は清く
てしかも浅い、互いに隔たる距離はそう遠
くはないのに、水の流れる川を挟んで、見
詰め合ったまま語ることもできないのだ

 

● 大伴旅人の息子である大伴家持の歌

 天の川にかささぎが飛んで橋を作ってくれている。この時は、かささぎの作った橋を渡って、彦星と
織姫二人は会うことが出来る。
 中納言家持が詠んだ冬の歌がある。中納言家持は、大伴旅人の息子である。

かささぎの 渡せる橋に 置く霜の
白きを見れば 夜ぞ更けにける
中納言家持
「画像」

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